【アメリカが誇る作家】アーネスト・ヘミングウェイ The Snows of Kilimanjaro


 

 

 

第一次世界大戦のイタリアを舞台に、アメリカ人のイタリア兵とイギリス人の看護婦との恋愛が書かれます。

ヘミングウェイ自身の、イタリア戦線の従軍記者時の体験がもとになっています。

現実では、女性から結婚をはっきりと断られます。

作品の中では、戯れの恋に過ぎなかったものが、戦場の激しさが増すにつれ、深く愛し合うようになります。そして彼女は子供を身ごもります。

 

 

人は離れ小島ではない
一人で独立してはいない
人は皆大陸の一部
もしその土が波に洗われると
ヨーロッパ大陸は狭くなっていく
さながら岬が波に削られていくように
あなたの友やあなたの土地が
波に流されていくよう
誰かが死ぬのもこれに似て
我が身を削られるのも同じ
なぜなら自らも人類の一部
ゆえに問う無かれ
誰がために弔いの鐘は鳴るのかと
それが鳴るのはあなたのため

 

 

スペイン内戦を題材にしています。

ファシスト軍のロバート・ジョーダンと、両親を殺された女性マリアとの、恋愛を書く。

題名の誰が為に鐘は鳴るは、イギリスの詩人ジョン・ダンの言葉に由来します。

終わりの橋の場面は非常に有名かと。橋と言えばこの作品と女神問弧印ですね。

 

 

老人から何か盗もうとする者などいないだろうけれど、帆や重いロープには夜露はよくないから、持ち帰ったほうが良い。老人も、この辺の人間が自分の物を盗むことなどないと信じてはいたが、手鉤や銛を船に残しておくと人の出来心を不必要に誘いかねないとも思っていた。

 

 

毎日が、新しい一日だ。運はあったほうがいいが、運任せでは駄目だ。そういう気持ちでいれば、運がめぐってきた時に慌てることもない。

 

 

奴が選んだのは、全ての誘惑や罠や欺きから遠く離れて、暗い海の深い所にとどまることだ。俺が選んだのは、全ての人間を振り切って、世界中全ての人間を振り切って、奴を追いかけ、奴を見つけることだ。それで俺たちは一緒にいる。昼からずっとだ。お互い、誰かの助けは期待できない身だな。

 

 

しかし、奴を食うだけの価値がある人間はいるのだろうか。いない。無論、いない。あのふるまい、あの立派な尊厳を誇る奴を、食う価値のある奴など一人もいない。

 

 

幸運というのは、色々な形で現れるものだ。何が幸運かなんて、分かるものじゃない。ただ、どんな形にせよ多少は手に入れたい。代金は払おうじゃないか。灯りが映る空が見たい、と彼は思った。望みはたくさんあるが、今一番欲しいのはそれだ。

 

 

キリマンジャロは標高6007メートルの雪におおわれた山で、アフリカ大陸の最高峰である。西側の頂はマサイ語で「ヌガイエヌガイ」、神の家と呼ばれている。その神の家の近くに、一頭の干からびた豹の屍が横たわっている。そんな高きところで豹が何を求めていたのか、説明しえた者は一人もいない。

 

 

ヘミングウェイの隠れた名作。死にいく者の、現実と夢が交差する。

ヘミングウェイというと、豪快な作家というイメージがありますが、この作品は、非常に美しく繊細です。

 

 

わたしはホームランを打つための練習などしていない。好打者の狙いは常にジャストミートにある。いつも結果としての二塁打を心がけるのだ。

 

 

ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎、ヘミングウェイ・ペーパーを巡るアニメです。

もちろん実際には、このようなものなどありませんが、アイデアは面白いと思う。

ルパン三世シリーズの中でも、かなりの人気がある映画です。

金曜ロードショーで、観た方も多いかと。

黒澤明監督の用心棒と、セルジオ・レオーネ監督の荒野の用心棒を基にしています。