武者小路実篤（むしゃのこうじさねあつ） ここに、僕の理想郷があるんですか？

日本文学



真理の力、我等の内心の力、それが合致して、其処に美しい花がさき、実が結ぶ世界、私はいかなる時も、その世界の出現を信じてゐるものであります。


死んだものは生きている者に対して、大いなる力を持つが、生きているものは死んでいる者に対して無力である


私はおいぼれたと云ふ噂があるさうだが、この西鶴はさう簡単に老ぼれないよ。まだまだ俺の内には火がある。


よき世界は来させたい。しかし犠牲者は絶対にさけたい。この願ひを嘲笑するものにはトルストイの真剣な気持はわからない。


彼は全世界の人がまちがつてゐた場合、恐れずにそのまちがいをはつ切り云ひ切れる人だ。


誰もほめない、誰も何とも言はない、しかし読者から読者に伝はつて、又読まれるやうになつたのだと思つた。


愛と死、之は誰もが一度は通らねばならない。人間が愛するものを持つことが出来ず、又愛するものが死んでも平気でいられるように出来ていたら、人生はうるおいのないものになるだろう。純粋にそれを味わい得ることは稀だ


この道より我を生かす道なしこの道を歩く


バンゴオホよ
燃えるが如き意力を持つ汝よ
汝を思ふ毎に
我に力わく
高きにのぼらんとする力わく
ゆきつくす処までゆく力わく
あゝ、ゆきつくす処までゆく力わく