【兎大好き】泉鏡花(いずみきょうか) あんたって、ほんっとグズだよねっ

www.nicovideo.jp

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

泉鏡花<怪談会>全集 [ 東 雅夫 ]
価格:4950円(税込、送料無料) (2020/7/31時点)



日本には花の名所があるように、日本の文学にも情緒の名所がある。泉鏡花氏の芸術が即ちそれだ。と誰かが言って居たのを私は覚えている。併し、今時の女学生諸君の中に、鏡花の作品なぞを読んでいる人は殆んどないであろうと思われる。又、もし、そんな人がいた所で、そういう人はきっと今更鏡花でもあるまいと言うに違いない。にもかかわらず、私がここで大威張りで言いたいのは、日本人に生れながら、あるいは日本語を解しながら、鏡花の作品を読まないのは、折角の日本人たる特権を抛棄しているようなものだ。ということである。


鏡花は、嘘から出る真だけを信じた。言わば無から形あるものを創る仕事だけを信じた。


およそ人間が滅びるのは、地球の薄皮が破れて空から火が降るのでもなければ、大海が押被さるのでもない、飛騨国の樹林が蛭になるのが最初で、しまいには皆血と泥の中に筋の黒い虫が泳ぐ、それが代がわりの世界であろうと、ぼんやり。


ロダントルストイのおせわにならないことを私はほんたうに喜んで居る