【屑の中の屑】罪人と共に苦しみ、拷問官と共に面白がる

ドストエフスキーはどんな思想家が与えてくれるものよりも、多くのものを私に与えてくれる。ガウスよりも多くのものを与えてくれる。

 

予は試みに、文学書であなたの耽読されるものは何ですかと問うたところ、それは『カラマゾフの兄弟』であると答えた。

 

 

ドストエフスキーの作品を読むと、私は深い満足感を覚える。

 

私は毎年彼の作品を読み返している。

 

ドストエフスキーは、芸術家なら誰もが、その技法 人間理解 共感能力において、可能ならば自分と比べてみたいと思う、そういう作家の一人である。

 

ウィリアム・フォークナー

 

 

単語や句の反復、憑かれたような語調、

 

百パーセント陳腐な一つ一つの言葉、俗悪な街頭演説的雄弁などが、

 

ドストエフスキーの文体を構成する、諸要素の特徴である。

 

 

殺人者と淫売婦が永遠の書を読んでいる、なんというナンセンスだ。

 

それは安っぽい文学的トリックであって、偉大な文学の情念や敬虔な心ではない。

 

 

ロゴージンは三人の中で一番正常な人物であるから、

 

やがてこの状態に耐えきれなくなり、ナスターシャを殺す。

 

 

ドストエフスキーが作り上げたこの若い思想家は、

 

世界の救済と革新を目指す最高のヒューマニズムのためでなければ、

 

犠牲を許容しない。

 

ヴァシリー・グロスマン